新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

うつろな社長

11月6日号のBusinessには、日本の経済界における「サラリーマン社長」の蔓延により、強いリーダーが出てこなくなったとの論評がありますが、これは何も日本に限った話ではないだろうと思います。西欧もまた市場の成熟、経済の停滞、人口減少、規制緩和の遅れと直面しており、そのどれもが「新たなスペース(成長機会)」を限界化させる働きをしており、日本のほうがやや(悪化が)進んでいる、ゆえに悪く見えるということであり、内部を見れば多くの才能が限られたスペースの中で息詰まるような限界的競争を余儀なくされている、というのが真実ではなかろうかと思うのです。

その証拠に(?)一昔前のITなど、成長産業には若くてリーダーシップのある起業家が集まりましたし、現象的にサラリーマン社長が蔓延したことは深堀すれば上述したような「日本に限らず先進国が直面する課題」に突きあたるのではないかと思われます。

実際のところ、中小企業の中にはオーナー社長が強いリーダーシップを取って次々と将来戦略の布石を打っているところもあれば、大企業のサラリーマン重役という重石の下で、どうやったら野心的なプロジェクトをモノにできるか、考えをめぐらしている中堅もそこかしこにいます。

でも、西欧からみると日本の停滞はどうしても自らとの大きな差(大企業の社長)に目が行ってしまうんでしょうね。特に高度成長期は後に大企業となる個性的な会社の社長が目立ったという過去もあって、余計そう見えるのかもしれません。