新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

選挙の後で

11月6日号、Leadersのトップは米中間選挙後の同行に関する論評です。基本的には「第一次クリントン政権下で、批判のための批判を続けたことにより却って民心の離反を招いた」当時の共和党を例に引きつつ、同じ愚は犯すなというのがそのメッセージです。ブッシュ政権末期に肥大した政府支出は共和党=小さな政府という伝統的な考え方とは異なるものでしたが、2年間の野党暮らしを通じて今や共和党はその価値を再認識したはずである、というのがThe Economistの読み解きです。この点はなるほどと思う部分もあるのですが、イラクとアフガンをどのように終息させるのかを含め、小さな政府の実現は決して易しいものではないでしょう。批判だけで勝てた選挙の後で求められるのは具体的なロードマップの提示であり、それこそが今回の勝利を二年後の大統領選挙につなげられるかどうかのポイントになる、ということだと思うのですが、オバマ旋風がそうだったように、勢いは2年も続かないことは今や世界が判っています。選挙の結果を受けて、下院議長は民主党ナンシー・ペロシ女史から共和党のジョン・ボーナー氏へ交代しますが、彼が仕切る議会下院で共和党が何を言うのか、ちょっと注目です。