新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

やっぱり駄目だって。

11月13日号のLexingtonでは、最近刊行されたブッシュ前大統領の回顧録についての書評、というかブッシュ政権の再評価についての論評がなされています。

曰く、オバマ大統領が金融危機に対面しなくてはならなかったように、ブッシュ大統領も9.11への対応を迫られた、それが所与であったことは彼にとってその後のパフォーマンスを規定する条件となった、というあたりはなるほど、と思わせるところはあります。しかし。

意思決定に際して、かかるコストや犠牲についての考察が不十分と思われること、結果を糊塗せんとする記述も目立つこと、捕虜の水責めを承認したことであきらかに一線を踏み越えたことなど、どうみてもアメリカ大統領の意思決定としては疑問符がつくものばかりが並んでいるように思えます。

本来9.11の犠牲者であったアメリカが、あたかも侵略者であるようなイメージでとらえられることになってしまったことなど、結果から言えば「やっぱり駄目な」大統領だったというのがThe Economistの結論のようです。