新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

Eコマースのむつかしさ

2月26日号のBusinessには、中国で急成長するEコマースビジネスと、それを巡る信用問題について興味深い記事が出ています。

中国最大のEコマース企業であるアリババ社は、同社が詐欺まがいの行為をしている2200人を超えるユーザーに「ゴールドステイタス」という信用のお墨付きを出してしまったことを問題として、CEOとCOOが揃って辞任するという事態を引き起こしてしまったそうです。彼らに直接の責任はないとしても、調査の結果社内に「相当数の意図的な、もしくは見過ごしによる」許可責任者が存在していることがわかったのだそうで、監督不行き届きと言うことかと思います。

もともと「信用」については油断も隙もあったものではない中国のこと、ある意味では起きるべくして起きた話なのかもしれませんが。

日常ネットを使うときも、オークションや中古品売買などでは出品者の評価が重要な情報なわけで。だとすると、アリババ社そのものの信用も地に落ちる懸念があるのではないかと思うのですが。皮肉な見方をすると、これでアリババも路面店と同等になった、あるいはこの危機を乗り切る知恵が出てくれば、信用保証面で業界をリードできるチャンスになるかも、という結論でお茶を濁すのかな。

日々その事業が拡大するEコマースですが、成長と同時に新たな問題もそこかしこに見えてくる、と言うことかと思います。