新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ガイジンお断り

3月5日号のBusinessには、アジアで高まる高度人材需要と、歴史的にその役割を担ってきた米欧人ではなく、地元出身者を雇用する傾向が顕著となっている点についての記事がありました(Asia's talent market; locals first)。

アジアと言っても、伝統的なそれはたとえば香港やシンガポールで多くみられた米欧出身のやり手ビジネスマン、というイメージだと思います。でもそれは、The Economistが揶揄するところによると、ロンドンではダメだったのでアジアで一旗揚げようという輩、であったものと思われます。

それが最近では、アジアでダメなのでもう一度ロンドンに戻るしかないか、という雰囲気になって来ているようで、それはまさにアジア出身者の教育レベルが上がり、人材が高度化されたことによる、のだそうです。確かにこのあたり、中国や韓国の若手がどんどん海外留学している(のに日本人の若者は減少している、と国内メディアなら書くところです)という情報と軌を一にしていると思われます。

どこで勉強しようと構わないのですが、要はコアとなる人材がどれだけしっかりしているか。その意味で、アジアが自らの若者を高度人材として使えるようになる(なった)というのは大きいのではないかと思います。結局のところ、企業は人なりという考え方を真理とすると、御雇外国人を使って経営する会社は、どこか強固な経営と縁遠くなるのではないかと思います。

かく言う私も、やや毛色は違いますがガイジン専門家として幾つかの国で仕事をしてきました(今もしていますが)。確かに中長期の事業としては専門家の現地化が進められており、そのうちお払い箱になるというのが既定路線ではあるのですが。そうした取組みがだんだん進んで行って、そのうち世界に「途上国」と言われる国がぐっと少なくなる日が来るのかな、と言う錯覚めいた想像力をかきたてられる話ではありました。