新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

世界にも知恵はなし、今のところ。

9月17日号のBusiness and financeには、日本の原子力発電政策に関する現状報告が載っています。さほど数は多くない読者コメントは、意外にも日本人からの投稿が少なく、おそらくはヨーロッパ方面からの書き込みが多かったのですが、慎重な意見が目立ちます。さらに特徴的だったのは、書き込みを推薦する(recommend)クリックが慎重派の意見にも、積極派の意見にもほとんどなされていないことで、それだけ世界の読者が意見を決めかねている様子が良く伺えます。

結局、悩みながらも苦しみながらも、最低限必要な電気は確保しなくてはいけない訳で、そのための努力や犠牲を重ねながら、長期的な視点で見た技術開発に活路を見出すしかないのでは、と思っています。しかしながら。

ウランを使う原子力発電に比べて比較的安全性が高いのではないかと言われたトリウム発電も、「結局は原子力発電」という範疇で避けられないリスクが残ることもあり、積極的に技術開発を進める等の動きはないようです。核融合などもまた、同様の扱いになるのでしょうか。

化石燃料の使用が増えて、地球温暖化を加速させることについての懸念はどこかへ置き忘れられてきた感さえします。漂流するエネルギー政策は通貨問題もあいまって、企業の海外退避へ一層の拍車をかけることになるものと思われます。