新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

宇宙的自由研究が物語る脱PC、の話

10月8日号のSpecial reportはpersonal technologyというタイトルで、パーソナルIT環境の変化に関するさまざまな報告が載っています。大局的な変化に関する目の付けどころは悪くないとして、The Economistと言えどもさすがに厳しいのは、近未来の話を書いたところでそれがたちまち陳腐化するほどのスピードで世の中が進んでいると言うことではないでしょうか。ちょっとやそこらの確証ある未来予測には誰も驚かなくなっている、そんなところがあります。

そのような環境の中で、「へえ」と思わされたのは特集冒頭記事の枕に出てきたブルックリンに暮らす親子の行った研究(学校の自由研究レベルですが)についてのお話です。この親子は、気象観測用の風船にビデオカメラとiPhoneを括りつけて空へと飛ばしたんだそうです(無論、許可取って)。最終的に風船は破裂して、パラシュートが無事にビデオカメラとiPhoneを地上に送り届けてくれたそうですが、物がiPhoneだけに位置の特定は簡単で、降りてくるパラシュートを追尾してしっかりとビデオカメラを回収したのだとか。

で、この親子が何をやったかと言うと、「地球は丸い」ことを示す映像をネットにアップしました、と言うお話なのですが、なかなかに見ごたえのあるビデオです。
www.brooklynspaceprogram.org

で、枕としては結構面白いこの話の向かう先が、ITの入り口はもはやPCではないのではないか、みたいな議論なわけです。むろん、PCの役割が終わったわけではないでしょうけれど、スマホやタブレットの進化、というよりソフト(いやアプリ、ですね)の進化は著しく、英語では相手の質問を半ば無視した決まり文句として"There's an app for that."(それならアプリがあるよ)という一言があるのだそうで。

私は仕事の中で、電卓で計算方法を教える、というような古風な教え方をしているのですが、PCすら使っていないそのやり方は、どうかすると2世代ほどオクレテルということになりそうですね。