新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

高まるアメリカの嫌中感

10月15日号のUnited Statesには、アメリカ上院が中国の為替管理に対抗する新たな輸入関税措置を認める法案を可決したことに関する論評が出ています。今週号はLeadersにも対中貿易に関する保護主義的な動きを批判的にみる記事が出ていますが、いずれの記事もアメリカが中国に対するいらだちを強めていることが見てとれます。相対的な力の低下がそうさせるのか、いかに中国との貿易を絞ってみたところで、アメリカの雇用が回復することにはつながらないと思うのですが、嫌中感の高まりはアメリカ社会に渦巻く中間層以下の不満が膨張するに比例して高まっているように見えます。

日本にとって、政治的には何かと問題の多い中国との関係ですが、経済的な結びつきは深まる一方で、時折突発的に発生する政治がらみのトラブルはあるものの、アメリカほどの強い動きには繋がっていないように思えます(せいぜい首相が「不透明感」に言及するくらいです)。その意味で、米中関係というか、主にアメリカの対応がどう変化するのかについては少し注意を払っておく必要がありそうです。