新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

オリンパス事件への厳しい批判

10月22日号のBusinessには、つい昨日今日日本のメディアでも取り上げられるようになったオリンパスの社長解任事件について、比較的詳しい報道があります。むろん、日付から言って二度目の解任については触れられていないのですが、それでも不明朗な顧問料の支払いを巡る英国人の元社長と当時の取締役の間での攻防が端的に描写されています、と思ったら。

読者コメントには、数は少ないのですがこの事件への(おそらく大半は関係者でなければ日本在住の欧米人と思われる)意味深い投稿がなされていました。
1)Gyrus社買収当時のアドバイザーや関係者の電話番号と、ジャーナリストへの取材を呼び掛けるメッセージ。これを見て直接取材する日本のジャーナリストがどれだけいるか?と考えると、ややお寒い気もしますが、その気のあるジャーナリストには頑張ってほしいです。
2)「べつに驚きゃしない。毎日こんなだよ」という一言もありました。
3)その他にも、マネーロンダリングを疑うもの、株主であれば解明を願うであろうとするもの、でも震災などその他重要事項に隠れて、これを日本との国際問題にしたくないイギリスの意向もあり、何も起きずに終わるだろうと見るものなど。

日本の企業統治文化について、巷間言われる虚像と実態のかい離を示すことになるかもしれない興味深い事例だと思って見ていますが、さすがに現時点で断定的な発言をすることはためらわれます。それでも、「火のないところに煙は立たない」とのことわざを想起せざるにはいられない、企業経営のあり方に関係した仕事をする身としては大変気になる記事でした。今後の展開を注視したいと思います。