新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

慎重に?

10月29日号のAsiaには、日本のTPP参加についてのさらりとした論評が載っています。ほとんど日本国内で報道しつくされた事実関係と、自由貿易の味方たるThe Economist一流の言い回しで、高圧的ではないものの、日本の参加を促すような論調になっています(主義主張の世界なので、当たり前と言えば当たり前)。

で、読者コメントが意外と数多く、読んでみると日本人の投稿と思われるものはほとんどありませんで、それだけ世界の自由貿易やFTAへの関心が高いということなのかなと思って投稿の内容を注視してみました。当然のごとく、賛否両論さまざまな意見が出されているのですが、目についたのは交渉の秘密主義に対する疑問と、それを理由に日本は慎重な対応を取るべきだ、という意見ですかね。

考えてみれば当たり前の話、とも思うのですが、なぜだかこれまで日本国内では交渉の手法への疑問というのはあまり注目されてこなかったように思います。交渉経緯は公開されても良いものではないか?という意見があっても良いでしょうね、特に慎重派の方々からは。

私個人は、性善説で考えるに自由貿易は振興されるべきだろうと思っています。確かに保険・医療や一部の一次産業には、段階的な対応が必要となる部分もあると思うのですが、それこそ「交渉」のテーマのはずで。だとすればその進み具合が「中に入らないと分からない」というのは、手法としてあまりフェアではないという指摘も成り立つように思います。