新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

想像力の限界

8月11日号のScience and technologyには、アフリカで見つかった新たな古生人類の化石と、人間の進化についての記事が出ています。それによると、4万年前まで地球上にはネアンデルタールやジャワ原人など、私たち現生人類と遺伝子的に繋がりのない「人類」が少なくとも3種類は存在していたのだそうで、今回発見された化石もおよそ200万年前のもので、新たな分派の存在を示すものではないかとのこと。

で、読者コメントが興味深かったのですが、アメリカ人の中にはまじめに「科学の意見に対して、天地創造主義者の意見も併記されるべきである」と言った投稿をしてくる人がいるんですね。もちろんこれが多数派というわけではないと思いますし、現に「私はキリスト教徒だが、私の中で科学と信仰は立派に両立している」と言ったコメントもありました。ただ、何と言うか、宗教があるからと言って科学に反論するというそのロジックには一寸想像力がついて行きません。

世界と付き合う上で、柔軟な想像力が相互理解のカギであると、常々考えている私ですが、さすがにこのレベルになると想像力にも限界があるようです。何が良くて何がダメなのか、お盆の週も後半に入りましたが少し内省的に考えてみたいと思わされる記事でした。