新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

人口動態が示す未来

9月29日号のFinance and economicsには、先進各国の戦後ベビーブームに生まれた世代がもたらすであろう財政圧迫に関して、経済統計から導かれる予測値を示しつつ、それが深刻なものであることを示しています。

日本でも「団塊の世代」が生まれた戦後ベビーブームは、やや年が違うもののアメリカやドイツでも同様に起こったそうなのですが、他の世代に比べて人数が多いその世代が手にした経済発展の担い手としての輝かしい日々は、その後訪れた女性の社会進出に伴う少子化を経て、自らがリタイヤする時代に入ると人数の多さが社会的負荷となって現れる、と言う流れまで各国いずれもそっくり同じです。

1981年には平均して家計支出の18%を納税に充てることができていたアメリカの家庭は、2011年には11%にまで低下していること、大きな経済成長が見込めない中で財政規律に解決策を求めるとしたら、IMFの予測によると、アメリカの場合は全ての公的支出を35%削減しつつ全ての税金を35%増税するという荒療治しかないのだそうで。この数字は怖いですが、おそらく日本はもっとひどいのではないかと考えると、その怖さも倍増です。

人口動態が語る未来は、その確実性においてどんな将来予測よりも信頼できると言いますが、だとしたらこれから私たちは何をしなくてはいけないのか。改めて考えさせられる記事でした。