新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

報道されない米中首脳会談の意味

6月8日号がネットで流れています。表紙の写真と、Leadersの2番目の記事が今日から行われる米中首脳会談についてのものなのですが、記事を読んでいて日本のメディアの報道とはずいぶん視点が違うことに驚かされました。

曰く、会談は取引きの機会でもあるだろうというのです。具体的にはアジアを中国の縄張りとみなし、アメリカの関与を求めるアジア諸国の要望と、アメリカの国益を勘案したうえでのさまざまな取引がありうるだろうとの見方です。

日本の視点からこれを読み説けば、たとえば尖閣諸島について領土問題の存在を認めさせる代わりに北朝鮮問題について中国が何かをする、というような取引はありうると言う話にもなりうるわけで。

日本のメディアは、解っていて書かない話なのかもしれませんが、あとになって「最初から読めていた話」的な解説がくっついて出回ると言う、いつもの鼻につく報道が繰り返されることになるのかな、というやるせない予感を感じながら読んでいました。