新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

手続きではなくて

ネットで流れている7月6日号のトップはエジプトのクーデターに関する寛容な記事です。民主主義の手続きを経て就任した大統領をクーデターで追い出したというのに、どうして?

基本的にThe Economistは民主主義を不寛容なまでに是とする主張が多く、今回の記事でも手続き論においてはクーデターを批判しているのですが。

エジプトのような多様性のある国(高学歴の世俗主義者、低所得のイスラム教徒、コプト教に代表されるキリスト教マイノリティ、その他)において、イスラム一辺倒のものの決め方や閣僚の人選などが、行政面で大きな後退につながり、治安の悪化や失業率の上昇など社会不安を深めたことは、民主主義が求める社会の安定とは全く異なるものであったと言うことだと思います。手続きより、結果においてモルシ政権の政治は本来の民主主義が期待するそれではなかった、ということですね。政権交代を民主主義の是としつつも、鳩ぽっぽに代表される無能な政治家たちが結局は理想の実現に失敗したどこかの国の状況と、さほど変わらないのかもしれません。