新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

事故のその後

10月26日号のBusinessでは、ビル崩落事故の記憶がまだ新しいバングラデシュの繊維産業に関するその後についての記事が出ています。それによると、崩落事故後も火事などによって繊維工場が被災する例は後を絶たないのだが、値上げしても依然として安い賃金や数でいうと近隣諸国の倍以上もあるという繊維工場が提供するその生産能力のおかげで、世界のアパレル産業がバングラデシュに依存する構図は変わっていないのだとか。

もっとも、コスト増が響いてか繊維産業自体の利益率は落ちてきていて、地元の事業家の中には事業売却を模索する動きも出てきているとの話も触れられています。

合理化と大規模化の推進が安全と生産性の両面から見て正解である、とのThe Economistの読み解きは正論そのものなわけですが、小規模業者の退出を促進することにもつながるその政策的な妥当性は検証されなくてはいけないところだと思います。それは行政と言う、かの国が最も不得意とする分野につながる点でもあるので、言うほど簡単には進まないでしょうね、たぶん。