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新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

アメリカのイスラム教徒

9月6日号のUnited Statesには、今やイスラム教過激派の人材供給源となった感のあるヨーロッパに比べて穏健なアメリカのイスラム教徒についての分析記事が出ています。なぜアメリカのイスラム教徒は過激化しないのか。

その理由はいくつかありそうなのですが、たとえばアメリカの場合、そもそもイスラム教徒の人口比率自体が低いこと(欧州は5%以上の国もあるのに、アメリカは1%程度)、また差別されることなく移民として受け入れられた結果、能力に応じた高学歴・高収入の人が結構いて、底辺で社会的階層を形成するに至っていないこと、そして政策的に実施された労働力移民あるいは旧植民地対策ではないため、ルーツが多岐にわたっていること(イギリスならパキスタン、ドイツならトルコ、フランスならアルジェリア出身者が大多数なのにアメリカはそのルーツが77か国にもおよぶ雑多な集団)などによるものだそうです。そして何より違うと思われるのは、9.11以降どのようにアメリカで暮らしていったらよいのか、議論が進んだ結果として、憲法が定める信教の自由をしっかりと解釈し、アメリカ市民としての自分たちをきちんと主張していること、なのだとか。

若干の例として、アメリカでもイスラム教を信じる兵士が機銃乱射事件を起こしたなどの事例はありましたが、ヨーロッパのように連続的にテロリストとなる若者が出てくると言うような道筋まではついていない状態です。重要なのは、そこから先においてイスラム教の人たちを差別などで追い込まないこと、ではないかと思うのですが、アメリカの社会が持つ寛容さがそれをしっかりと受け止められることを祈るばかり、ですね。