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新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

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5月30日号のBusinessには、家電業界で予感される開発者としての中国企業の活躍とその「きざし」について興味深い報告が載っています。

毎年アメリカ・ラスベガスで開かれている「家電ショー」 Consumer Electronics Show の中国版が今年初めて中国で開かれることになったそうです。これまでアメリカのショーで紹介された新製品が次に先進国で広がり、中国など新興国がその後を追う、という流れが変わりそうだというのがThe Economistの見立てです。

で、ドライバーの交通マナーが悪いことでは世界に知られた中国ですが、そのマーケットにドイツのアウディがぶつけてきたのが「自動運転システム」だと言うのです。

アメリカやヨーロッパの市場が主に50代のユーザー中心なのに対し、中国のアウディオーナーは、デジタルビジネスで富をなした30代が中心だということ、彼らはデジタル技術を駆使した新しいシステムに抵抗感が少ないと言うこと、何かと言うとすぐ訴訟になるアメリカやリスクを嫌うヨーロッパのマーケットより反応が速そうだということなど、アウディの取った戦略が妥当なものであると考えるに足る証拠は少なくないようで。

そういう市場を目指すとき、地元企業の志向も単なるモノマネから創造的な開発へと徐々に進化してゆくのではないか、というのがThe Economistの提示する仮説です。

中国版CESの会場にはまだまだモノマネ企業の展示も多いけれど、たとえばピアノを習う上で、楽譜のどこを弾けばよいのかをカラオケのように光で案内してくれるシステムを発表した中国の企業など、その萌芽とも言える展示が見られたということです。

開発者としての立場を強くすればするほど、知的財産権を守ろうとする動きも出てくるはずで、そういう変化が中国の市場経済をより段差の少ないものへ変質させてくれるのではないだろうかという期待は抱けると思います。

そういう変化が加速されるとすると、中国企業が市場をリードするようになるまでに、時間は思ったほどかからないのかもしれません。