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新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

漁の東西

The Economist9月5日号のScience and technologyには、最近日本のニュースでも良く取り上げられる漁業資源の枯渇問題に関する興味深い話が出ています。それによると、ヨーロッパでは漁業に関して主に資源保護のため、あれこれ規制が存在しているようなのですが、新しい論文によると600メートルを超す深海でのトロール漁(所謂底引き網漁)は大変非効率であることが明らかになった、のだそうです。

漁の標的以外の魚、いわゆる「外道」がどのくらいかかるのか、という分析について、だいたい深度300mくらいまでだと標的魚が5に対して外道が1くらいの割合らしいのですが、深度600mだとその比率が3:1まで下がり、800mだと10:9、1200mだと1:2に逆転してしまうのだとか。外道は収穫後、魚種を選別する段階で海に捨てられたりするわけですが、そう考えると深海トロール漁は生態系破壊につながると言う批判は妥当なものだと言われても仕方ないのかもしれません(深海魚は群れで泳がないのかな?)。

そもそも深海魚は表層近くを泳ぐ魚に比べて一般的に生育が遅く、一旦破壊された生態系は回復に時間がかかることが懸念されるのだそうで。

というわけで、論文の勧告は「トロール漁は水深600mまでとすべし」というものだそうです。

外道でもなんでも、美味しく食べられる魚であればそれを捨てずにいただく文化を育てることも、また重要なように思うのですが、それは科学者の活動領域外の話ということなんでしょうかね。