新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

確定申告のことを英語では

ネットで流れている4月16日号のLeadersを読み始めています。

Leadersのトップは自閉症人材の活用法について、二番目はつい数年前にブームと言われたアフリカ投資が曲がり角に来ていることについて、やはり人材がカギでしょうという記事ですが、三番目に「パナマ文書」の影響だと思うのですが、プライバシーとアカウンタビリティの対立についての記事があります。

アカウンタビリティはよく「説明責任」と訳されていますが、では何についてこの議論が起こっているかというと、政治家のような公人がタックス・リターンを公開するか、という問題についてのお話です。

イギリスのキャメロン首相が、家族がタックスヘイブンに関与していたことがパナマ文書で明らかになり、ご当人が徴税強化を掲げていただけにメディアでもかなり大きく取り上げられましたね。The Economistの記事によると彼はこのほど過去6年間の納税データを公開したのだそうで、同誌も退陣には否定的な扱いとなっています。

キャメロン首相が速やかに行った税務に関する情報開示のキーワードとして、タックス・リターンという言葉がたくさん出てくるので、辞書で確認すると「税務申告」「確定申告」という訳語が出ています。直訳すると「税金の戻し」という意味になると思うのですが、申告というと何かお上に対して下々が申し出るというイメージなのに対して、英語では税金を取り戻す、みたいな語感になるわけですね。

ノルウェースウェーデンフィンランドの北欧三国では、すべてのタックス・リターンを公的に開示しているのだそうですが、そうでない国がそうしようとすると、プライバシーの問題は避けて通れないでしょうね。究極これが実現すれば、争い事が起きようもない国になるような気が、しなくもありませんが、そうなるまでの過程は、おそらくかなり大変なものになるわけで。