新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ためにする騒ぎ

5月28日号のUnited Statesは、ヒラリー・クリントン女史が国務長官時代に公用メールを個人アカウントでやりとりしていた問題を巡る新しい動きについて伝えています。

それによると国務省の内部調査機関による報告書が、違法性については指摘しなかったものの、FBIによる捜査の結果を注目すべきであるとの考え方を伝えたとのことで、FBIの対応によっては、悪くすると大統領選挙出馬に支障を与える可能性もあるとのこと。

The Economistの指摘は、問題が大きくなる以前に過誤を認めて出せる証拠をすべて出すなり、もっと上手な対応が取れただろうに、というものです。たしかに過ちを認めず捜査への協力も限定的に見える対応は、政治家として「食えない」人間である彼女の資質を見せつける事例になっているように思えます。

通常の連絡メールのやりとりくらいであれば、たとえそれを過誤として誤ったところで国家としての実質被害は想定しにくいことくらい、有権者は分かっていると思います。マクロでみれば、ことの是非や違法性の有無について争っているのではなく、信頼できる候補選びを争っているわけですから、そのあたりを意識した対応ぶりを見せてほしいものだ、ということでしょうね。