新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

不都合な?話かもしれない

7月23日号がネットで流れているThe Economistですが、Leadersの4番目に天然ガスがもたらす地球温暖化の脅威についての記事があります。

ふつう天然ガスと言うと、石炭や石油に比べて環境にやさしいエネルギーという印象が強いのではないかと思います。確かに単位熱量当たりの二酸化炭素排出量や窒素酸化物、硫化物などの生成量において比較的クリーンなエネルギーであることは科学的に実証されているそうなのですが、この記事でThe Economistが触れているのは主成分であるメタンガスのうち、燃焼せずに大気に放出される分量が今や牛のゲップを上回るほどの量に達していること、だそうです。二酸化炭素が放出後500年にわたって大気中に存在すると言われているのに比べると、メタンはわずか12年くらいしか存在しないのだそうですが、温暖化効果そのものは二酸化炭素の25倍ある、のだそうで。

ただ、記事は単位燃焼量当たりの燃焼残がどのくらいの比率で発生するのか、という肝心の数字には言及していません。牛のゲップより多い、だから問題だ、というロジックです。確かに単位当たりの深刻さを議論するより、絶対量的にどうなっているかに注目しないと気候変動の話題とはつながりにくいということなのかもしれませんが、この点若干突っ込み方が甘いような。

いずれにせよ、短期的な気候変動の要因の一つが天然ガス由来のメタンガスかもしれない、というお話しでした。それはそれで問題なわけですが。

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