新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

気候変動とセメント

8月27日号のBusinessには、地球温暖化対策とセメント産業の関係が簡潔に報告されています。減量となる石灰岩の破砕および製造工程で使われる大量の化石燃料によって大量の二酸化炭素(CO2)を大気中に排出するセメント産業は、以前から関係者の間では気候変動対策の重点産業として認識されていましたが、The Economistが看破したとおり、石油ガス産業などと比べると社会の認識は必ずしも高くなかったのではないかと思います。

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記事を読むと、中国の消費量が群を抜いていること、世界的には供給体制の寡占化が進んでいること(合併によるものです)が判ります。他方でCO2排出量を削減する手立てとしては製造ラインの近代化、が最も効果的だと思われることから、望まれるべきは減価償却の加速化によって設備の更新投資を促すこと、だったりするのかもしれません。環境対策と税務会計の、意外な接点だったりするのかも。