新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

速報 2016アメリカ大統領選 第一回テレビ討論について

The Economist電子版は、第一回テレビ討論の結果について明らかにクリントン候補の一本勝ちであった、という明快な評価を下しています。

序盤戦ではマイペースで良い感じだったというトランプ候補ですが、司会者から振られたオバマ大統領の出生地問題で、明らかな墓穴を掘ったということです。The Economistもその点を重く見たらしく、記事では一問一答を詳しく伝えています。

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要するに、最近になってなぜこれまでの主張を変えたのかについて明快な説明ができなかったこと、大統領候補としてそれをどう思うのか、納得的な説明が一切なかったことが明らかになるやり取りであった、ということのようです。

マイノリティの扱いはアメリカ政治に置いて大変敏感な要素であることは議論を待ちません。トランプ候補は以前にも戦没者の遺族を侮辱したと言われて支持率を大きく下げた事件がありました。

今回もそれと同様に、証拠など無視して自らの思い込みにこだわるという考え方を暴露するような振る舞いを、あろうことかテレビ討論で、アフリカ系アメリカ人を含む移民の子孫たち(二世)のすべてに該当するような点について見せつけてしまったということでしょう。

これに対して、序盤戦は防戦一方だったクリントン候補が次第にペースを取り戻し、締めくくりの段階で言ったとされる言葉は重みをもちます。

”コトバは、大統領選に出ているものにとっては大変重要です。そして大統領になったなら、それはさらに重要になります。なので私は、日本や韓国その他の国にいる我々の同盟者に対して、我々は相互防衛条約を持ち、それを尊重するということをお約束したいです。

アメリカのコトバが有効であることは重要です。それについて私はこの選挙戦が地球上の多くの国においてリーダーたちの一部に不安や疑問をかきたてたことを知っています。私は彼らの多くと話をしました。でも私は、私自身と、そして多数のアメリカの人々のために言いたい。アメリカのコトバは有効であると。”

明らかなる一本勝ち―その評価に間違いはなさそうです。