新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

バイクを作るベンチャーの話

12月10日号のBusinessから。

世の中、さまざまなベンチャービジネスはあれど、オートバイ、もしくはモーターサイクルを作ると言われると、へっ?と思われる方も少なくないのではと思います。だって需要は伸びないだろうし、東南アジアで売れるのは原チャリ(失礼)ばっかだし、ホンダ、スズキ、カワサキヤマハと日本メーカーが勢ぞろいしているのに、そこへベンチャーだって?と言うのが、記事を読む前に思ったことだったんですね私も。

www.economist.com

で、The Economistが紹介するのはヴァンガードロードスターという会社で、これまでの累計生産台数はわずか1台。それの何が凄いかというと(別に凄くもないのかもしれませんが)、デザインから生産までのプロセスを可能な限りコンピュータ化してしまったこと、だそうで。そのおかげでこれまでの半分ほどの工期で、人手もかけずに新しいモデルを市場投入できるのだそうです。バイク製造のデザイナーと経営コンサルが二人で始めた会社だということ、ハイエンドな大型バイクの製造に特化し、ニッチなマーケットを狙う戦略らしいということ。このあたりは典型的なベンチャービジネスなのですが、そういった属性のあれこれよりも印象的だったのは、

「オートバイ製造なんていう、成熟・飽和した市場でもベンチャーはできるんだ。」

ということですかね。

そう考えると、アイディアと技術があれば、枯れた市場でも十分起業のチャンスはあるのだろうと思えてくるから不思議です。たとえばガラケー。あるいは音楽CD。そういえば今朝の新聞に、ラジカセ再燃、みたいな記事も見かけましたし。アタマを柔らかくしておく必要性を、そんな部分で感じさせられた記事でした。