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新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

トランプ政権の移民政策について、具体的な話

The Economist電子版は、米トランプ政権の新しい大統領令により、専門的な職能を持つ外国人技術者へのビザ(H1-B)発給要件を改めることについて、洞察の利いた記事を載せています。

記事によると、H1-Bビザはコンピュータサイエンスなどを中心に高度な技術者を呼び寄せることにある程度成功していたようですが、①年間85,000人という「枠」があり、ビザ発給はくじ引きだったこと、②ビザでは最低賃金が年間6万ドルと決められていたところ、取得者の多くがインドIT企業に勤める技術者で、最低賃金スレスレの給料しかもらっていなかったことが指摘されています。この制度で最も裨益したのは、年6万ドルで世界の優秀なIT技術者を囲い込んだインドのIT企業だった、というのが記事の読み解きです。

制度改革後は、審査が厳しくなることに加えてくじ引きから貢献可能性へと審査基準が変更されると記事は伝えています。アメリカ企業にも、インスタグラムなどH1-Bで裨益した企業はあるようなのですが、発給がくじ引きによるものだとすると、たくさん応募した会社がたくさん裨益するという構造は残ってしまうと思われることから、貢献可能性を審査する方式に改められるとすると、やはりアメリカ企業の利益になる応募者が優先的にビザを取得できるようになるのでしょうね。

日本人的な感覚で言えば、今までくじ引きだったことがむしろ驚きに思えますが、年収6万ドルで今のアメリカに住むというのも、ものすごく楽というわけではないと思います。ダブルインカムになればだいぶ話は違うのかな?

将来的に、移民による経済の下支えが不可避かもしれない日本にとっても、参考になる事例ではないかと思います。