新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

なまずの騒ぐ日

7月4日号のBanyanは、「なまずが騒ぐと地震がおきる」という日本の言い伝えを参照しながら、過去の地震による日本の被害の歴史と、それでもなお備えが十分とはいえない現状、特にウォーターフロントに林立する高層ビルと柔らかい土壌の関係などの不安要素、そして災害に対して行政の抱える不安などに触れつつ日本の行く末について暗示的なメッセージを伝えています。曰くは、「この現状は日本の憂鬱を象徴するものかもしれないが、過去幾多の困難から立ち上がってきたように、自民党が下野し、民主党がさしたる対案なく政権をとる次の国政選挙の後でも日本は生き延びるだろう。」と。

縮み志向の政治、まだら模様の経済、顔の見えない次代の指導者、その他どれを捉えても現在の日本を正確に論評するのは意外と難しい、と言う状況に陥っていることが、この暗示的な記事を見ると漠然とながら見えてきます。案の定コメントも、とある日本人と思しき方が当たり障りのない発言をしただけ、で止まっています。

いったい、日本の行く末はどうなるのでしょうか。とても陳腐な疑問ですが、The Economistに限らずおそらく誰も、この古臭い質問にきちんと答えられない、大地震でも来てみないことには何も変わらない、ということだとすると、ちょっと薄ら寒い現実を突きつけられたような気がしてしまいます。