新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

自由貿易!

9月19日号のLeadersトップはアメリカが中国製のタイヤに関税を課するとのニュースについて、自由貿易を阻害する懸念をストレートに表明した記事でした。で、びっくりしたのは読者のコメントがまだ火曜日だと言うのに263件も来ていたことですかね(多分まだ増えるのだろうと思います)。ちょっとだけ読んでみて思ったことですが、民主党・労組寄りの「だからどうした?」と言うコメントと、共和党よりの「オバマはカーター以来の弱い大統領だ。ミサイルでロシアに妥協し、関税で労組に妥協し、いまや健康保険でも妥協の道を探っている。」と言ったようなコメントが拮抗しているようです(recommendの数字は共和党寄りのものが大きいみたいでしたが)。

経済危機と中国・インドの台頭を見据えて、自由貿易堅持の意見も各論では通りにくくなりつつあるのだと思いますが、議会は民主党が多数であることから、国民保険を最優先課題としているオバマ大統領としても「譲るべきは譲り」自らの政権基盤が揺らぐことのないようにと選択した妥協であったものと思われます。The Economistは「マケインよりはオバマ」を支持した経緯では、世界経済の再建と新興国の秩序への招待を実現できることを条件に、と断り書きを入れていたそうですが「いまやこれらの課題は毀損された」のだとか。

ドーハラウンドの先行きも不透明で、自由貿易の看板にも若干以上の陰りが見え出している、この記事はそんな段階にある世界経済への警鐘として、一読の価値はあると思います。


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