新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

アラブの民主化は進むのか

1月29日号のMiddle East and Africaに載っているエジプトの政治的混乱についての記事に注目してみたいと思います。記事そのものは事実関係の報道が中心で、その意味ではNHKなどとさほど大きな違いはないのですが、読者コメントのひとつが大変興味深かったです。

曰く、「チュニジアのベンアリ大統領も、エジプトのムバラク大統領も、いずれもアメリカが肩入れをしてきた政権だ。仮に民主革命が成功し、彼らが退陣すればしたで、アメリカは新しい政権に対して民主主義の成功を祝福するだろう」とのこと。

なんとなく、アメリカの本質を言い当ててません?

また、識者の間には混乱に乗じてイスラム教過激派が影響力を増すのでは?との見方もあるようですが、これはやや根拠が薄いような気がします。たしかにエジプトの最大野党である「イスラム教の兄弟」は、どちらかというと原理主義寄りなスタンスですが、今回の民主運動は彼らが始めたものとは必ずしも言えないからです。むしろネットを介した草の根運動としての色彩が強い分、原理主義的な縛りはかけにくいはず。

チュニジアに端を発した民主化の流れは本格化するのか?エジプトが一つの試金石になるのだろうと思います。