新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

とりあえず好調、かな?

5月12日号のBusinessには、資源ブームと原発事故後の天然ガス需要の高まりにより好調な日本の総合商社についての記事があります。これがどのくらい国際的な話題かというと、世界のマーケットから見ればアメリカからの天然ガス輸入がどうなるか(自由貿易協定調印までお預けになっている)、というくらいの関心はあろうかと思うのですが、だから日本の商社が世界の資源市場をゆさぶる、というような話にはなりにくかろうと思います。そのせいか、読者コメントもほとんどついておらず、スルーされているような記事ですが、それでも商社の業績が好調というニュースは悪い話ではないと思っています。なぜなら日本の民間企業で世界市場レベルのデザインマインドを発揮できる存在はそう多くないと思うのですが、各総合商社には長年にわたり蓄積された「世界市場をどうするか」という課題についての経験値があるはずで(最低限、ちょっと前まではあった)、それらが発揮されやすい環境が整うことは日本経済全体にとって新しい発想に取り組むチャンスが増えることになると思うからです。

とはいえ、The Economistによると総合商社の株価は簿価水準を下回っているとかで(ホント?)、市場がしっかり認めるほどの好調ぶりと言えるのか、まだ疑問が残る要素もあるようです。そこは是非、エネルギー危機や円高を逆手にとって、商社発のさまざまな取り組みを積極的に現実化することで市場を説得できるよう、取り組んで頂きたいものだと思っています。