新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

どうしてわかりにくいのかというと

The Economist7月11日号のAsiaには、日本の安保法制に関する議論迷走の様子と、対中関係に腐心する安倍政権の方向性について示唆的な話が出ています。

安保法制がどうしてわかりにくいかと言うと、東シナ海南シナ海を巡って起こりうる中国との衝突についての想定が何一つ説明されていないからだと思います。そうなった理由のひとつはここに来て日中関係改善への期待がある一方で、相変わらず中国が日本の軍国主義復活への警戒を喧伝していることに対する逃げの姿勢が強いこと、なのではないかと見ます。今回特にThe Economistは第三者の立場なので、平気で中国や北朝鮮の脅威について書きますが、本来であればその論評の中で取り上げられるべき日本政府の見解すら、対中国・対北朝鮮の有事を想定したものとしては出されていない点が不思議に思えます。それも含めた対中・対北朝鮮戦略、ということなんですかね。敵を欺くにはまず味方から、という言葉もありますし?