新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

祝50周年

7月18日号のSpecial reportは、建国50周年を迎えたシンガポールのこれまでと今後についての詳しい記事です。辛口のThe Economistにしては珍しく、複数政党制を頑固に否定し続けるシンガポールの政体についての批判は抑え気味ですが(その多くが、汚職体質と無縁だった実績によるものと思われます)、小さな国土と増え続ける移民、そして何より急激に進む少子化が、この国の先行きを見えないものにしているという懸念を露わにしています。水も、食料も他国に依存し、周辺各国との関係が必ずしも良好とは言えなかった独立直後から現在に至るまで、シンガポールが見せた小規模国家経営の実績は賞賛に値するものだと思いますが、何より国の中核を担う若手人材の実数が不足するほどになっていることへの懸念は否定できない、のかもしれません。

小さな国は、それだけ懐の浅さがハンディキャップになると言うことかと思いますが、仮に華人社会の世界的な広がりを潜在的な人材供給源とみなすことができるのであれば、人口減少に対するシンガポールの耐性は、存外高いのかもしれないとも思います。このあたりの洞察が当っているのかどうか、ぜひとも専門家のご意見を聞いてみたいところではありますが。