新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ビジネスから見た気候変動

2月23日号のThe Economistは、Businessでビジネスから見た気候変動対策の緊急性と、それにもかかわらず動きの鈍い現実について鋭い論評を載せています。

www.economist.com

二酸化炭素などの温室効果ガスによって引き起こされる気候変動、具体的には洪水やハリケーン、干ばつによる山火事や海水面の上昇などについて、ビジネスが受ける被害はもはや全く無視できないレベルに来ているという話があります。気候変動に対する耐性を研究したり、社会実装を急ぐ動きも目立ってきているようです。

The Economistによると、このままの状況が続くと多くのビジネスにおいて平均で企業価値が2-3%も毀損されるとの予測があるのだそうです。

ただ実際の動きはまだ鈍く、先駆者となることによって引き受けさせられる準備コストがそのまま競争上の負荷になることへの懸念は消えていないとのことです。すなわち、気候変動に対応するためのコストを計上していたら、競争相手がそれをしなかったことにより、たまたま災害が起きない場合に競争相手が勝ってしまうことへの懸念、とでも言うものなのですが。

そのような企業の態度に対するThe Economistの結論は「やがて未来が訪れたとき、対策を取った者への報酬は砂に頭を突っ込んだだけの者に比べて確実に大きなものになるだろう」とのご託宣です。

日本でも、このところ毎年夏には大きな災害が起きています。すでに産業界が被った被害も深刻な事例が出てきていると思うのですが、それがさらに悪化しない保証はないのが現実だと思います。中国や東南アジアも例外ではないでしょう。だとすると、経営者が直ちに取るべき戦略は、自ずと見えてくるのではないでしょうか?