新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

カークパトリック元国連大使死す・他

12月23日号は年末特集記事以外にも通常の時事問題を取り上げていますが、いかんせん年末と言うことで、いつもより多少動きが少ないように見えます。その中で目を引いたのが、ジーン・カークパトリック元国連大使が亡くなったというObituaryの記事でした。

一家して民主党員であり、カーター大統領時代に女性として初の国連大使となった彼女がその存在感を発揮したのは皮肉にもレーガン政権になって以降、超保守的な国益追求をその対決型の姿勢で貫き通したことにあるそうです。The Economistに言わせると、(対決型で耳目を集めた)「ボルトン元大使のモデルになった」人だったとか。

「現代の世界に革命的な存在があるとしたらそれは我々側の社会である」冷戦時代の(国是として革命を謳っていたはずの)ソ連を相手に堂々とそう言ってのける信念、はなかなかの気骨ではないかと思います。また同時に、彼女が追い続けたという「栄光ある正当性と成功」は、アメリカが今最も失いつつある何かではないかという気がします。「決して謝らなかった」彼女は、超保守主義のネオコンが祖国を危機に導いた昨今の情勢をどのように見ていたのでしょうか。享年80歳、だそうです。合掌。

その他、取り上げていない年末特集記事にも結構面白い内容があるのですが、全部取り上げてると大変なので、昨日一寸触れたキリスト教についての記事を少しだけ。