新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

すばやい相撲取り

8月4日号のFace valueは製薬業界の雄、グラクソ・スミスクラインの経営者、ジャンピエール・ガニエ氏が登場しています。R&Dが社運を決する製薬業界にあって、同社は合併を繰り返して大きくなる戦略をとってきましたが、規模の経済は必ずしも成功につながらないのではないかとの問いに対して「R&Dの生産性は企業規模は関係ない」とのお考え。たとえ話として「相撲取りでもクレバーならすばやい勝負が出来る」とのご託宣です。傲慢とも自信の表れとも取れるそのコメントはただひとつ、「社会のニーズにあった商品の提供」という理念に収斂されています。

Briefingは珍しく二本立てで、それでも金融業界を襲う資金不足、クレジットクランチについての報告です。Finance and economicsではアメリカの法人税実効税率が上がっていることに触れ、OECD平均の20%を超えてしまっているので問題だ、との指摘。元々欧州に対する租税回避地的な性格を持ってスタートしたアメリカなので、欧州より法人税が高いというのはいかがなものか、と言う意識につながるものと思われます。ちなみに日本はノミナル40%、各種補助金等をならした実質で28%程度と、かなり高めの部類です。これで良い、と言う話はさすがに聞きませんが。。。