新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

オバマ・スキャンダル?

3月8日号です。United Statesは、今年の夏までは仕方ないのでしょうが、やはり大統領選挙です。世の中のメディアは民主党の候補選び一色という感じですが、The Economistはそれなりにマケイン候補にも目配りを怠りません。とはいえ台風の目がオバマ対ヒラリーの対決であることは否定しようもなく、トップとLexingtonはこの二人の勝負を詳報しています。事実関係から読み取れることもさりながら、Lexingtonが書いていた民主党の二つの流れ、は面白かったです。曰く、ワインを飲む民主党員・高学歴・リベラル・オバマ(クラッカーバレル(注:典型的南部アメリカ風レストラン)では食事しない)、対ビールを飲む民主党員・労働者・移民・ヒラリー(スシは食べたことがない)という分類で、この二つは決して交わらない、ビル・クリントンが天才的だったのはこのどちらをも惹きつけたことだ、というのです。

ここまで民主党の候補選びをヒートアップさせたのはオバマ氏の功績だと思うのですが、少し気になる記事が出ていました。違法な政治資金集めによりシカゴで裁判を受けているトニー・レズコ氏という政治資金集め専門の不動産屋がいて、オバマ氏が彼の支援を受ける関係にあった、という記事です。すでにオバマ氏は関係の不適切さについて、うかつなエラーであったと認めているようですが、仮に同氏の裁判が無罪になるにせよ、スキャンダルが思わぬところで足を引っ張りかねないのも洋の東西を問わず選挙の常だと思います。ここしばらく目が離せない話題になりそうです。

ちなみに、2月21日号の日本特集について先日日経が小さく取り上げたことを遅いと批判したら、今日の日経では抄訳をデカデカと載せています。都合2週間遅れですが、肝心のThe Economistが先週(日銀総裁選び)今週(地方の政治をめぐる構造力学)も同様の論調で日本について書いていることを考えると、小さく取り上げたままで看過するよりは良しとしましょうか。逆に、「おごるなかれアングロサクソン」くらいの特集でも組んでくれたらあっぱれとほめてあげたいところですが、高望みでしょうかね。