新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

正論

8月8日号です。

Leadersでは、EU域内では今ひとつながら、世界的には輸出で不調のEUを牽引するドイツ経済について、次に犯罪暦のある人に対してあまりに厳しいアメリカの性犯罪取締りについて、さらに北海油田の枯渇というシナリオを抱えて方向性の見えないイギリスのエネルギー政策について、またぞろ高給が復活しつつあるアメリカのエグゼクティブの待遇について、そしてジェネリック医薬品と薬価について、最後はイスラム教と自由について、ということで、時事問題の取り扱いが多少弱く、一見して夏休みモードであることがわかります。

この時期にこそ、たとえば気候変動問題なんかでじっくり議論をやって欲しいと思う人はあまり多くないってことなのでしょう。

Lettersは、7月に「経済学は悪くない」的な特集をやったときの記事に対するコメントが一ページまるごと載ってました。トップバッターはUCサンタバーバラのComanor教授と筑波大学の宮尾尊弘先生の共同コメントで、市場には大人の管理が必要だよね、というお説です。いや、正論です。

続いてBriefingはLeadersの続きなのですが、アメリカにおける性犯罪者の待遇について、農産物のトレーサビリティもかくやと思うほどの徹底した追いかけ方で、果たしてこれでよいのか?というThe Economistならではの「当たり前の常識」に対する疑問が提示されています。日本では、とてもそこまで徹底できていないでしょうから、議論の進み方も当然そこまでにいたっていないわけで、読んでても頭でわかるのが精一杯、というのが正直なところですかね。背景にはインターネットの発達で、誰もが性犯罪者の履歴を簡単に入手できるようになったことから、再犯性が低いもの、軽度のものまでうわさとして流布されて、かえって当人の人権を侵害する結果になっている例もあるようです。記事を読んで想像してみるに、たとえばSMAPの草薙が性犯罪者のリストに載る、ようなことかと思います。かたや酒井法子覚せい剤でも不起訴になるかも、との観測記事も流れる中、素人考えかもしれませんがバランスは取れてないよね、ということなんですかね。ふーん。

                                                                                              • -

The Economistのご購読申し込みはこちらからどうぞ。
http://www.nikkeibpm.co.jp/rd.php?aid=2515