新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

忘れない

8月29日号がネットで流れてます。夏休みモードのうすっぺらな本、ではなくなったみたいですが。

先ずはLeadersです。Web版のサイトを飾る日本の総選挙の写真とは裏腹に、大企業の復権、アフリカでも始まった人口減少、バーナンキより他に適任者がいないFRB議長職、パンナム機爆破事件の実行犯に対する英国政府の恩赦への抗議、成果が見えないアフガニスタンの総選挙、という結構味付けの濃い記事が並んでます。大勢の見えた日本の総選挙は、ここ数週間の過密報道もあり、またそれ以上の報道が、したくてもできない微温的現状もあり、Leadersには入れてもらえませんでした。

面白かったのがLettersで、性犯罪を犯した個人への厳しすぎる監視、は子供たちの安全のためには守られるべきである、とする意見が複数掲載されていたのに対して、フィリピンのアキノ元大統領の死去や日本のデフレ・スパイラルもどきのコメントは一件ずつしか出ていませんでした、にもかかわらず、Web版のコメントページには、日本に関する読者からの再コメントが複数アップされていました。むしろ、性犯罪に関する規制を緩和すべしとの記事が集中砲火ではないかと思ってたのですが。

189名の尊い犠牲者を出したパンナム事件の実行犯を自国で裁けなかったアメリカの思い、なかんずく被害者の思いは今も根深いものがあるに違いありません。スコットランド法によって逮捕され、服役していた受益者は、死期が近いとの医学的判断により英国法により釈放され、祖国への帰還が許されたものです。この一連の動きをThe Economistは「間違っている」と一刀両断に斬り捨てています。被害者サイドの人権や主張にも配慮する、という最近の日本的な動きを勘案して考えるに、たとえ死期の近い状態にあろうとも、犯人は服役すべきであって、最低限ヒーローのような出迎えを受けるべきではなかった、という点は素直に同意です。

バーナンキも、アフガンも、それなりに時間をとって考えてみたいテーマではあるのですが、今日は夜になっても暑くて汗をかいていることもあり、明日以降の機会に譲りたいと思います。


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