新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

中国流ビジネス・中国流政治

1月28日号は、Asiaとは別にChinaという章が設けられていまして、これが特集号としての扱いなのか、それとも今後もそうなるのかはわかりませんが、そのトップ記事が中国の民間企業と共産党の関係についての分析です。

それによると、かつてはどの企業にも存在した共産党の分子が一時はほとんどいなくなったと思ったら、最近また増加する傾向にあるのだそうで。

以前にも一度注目しましたが、The Economistは中国流の、もしくは非西欧流のビジネスモデルとして、政府と私企業が一体となって利益追求を行うパターンの実力を認めています(それがフェアなものか、という点にはずいぶんと含みがあるようですが)。この記事で紹介されている中国流の企業と共産党の「結託」も、あるいはその流れに与するものなのだろうと思うのですが、読者コメントにも「西欧のコンセプトや語彙で中国ビジネスを理解しようと思うと結論を誤る」というような中国人からの書き込みがありました。

政治と経済の結びつきは、いずこの世でもあったことだろうとは思うのですが、特定の私企業に対する利益供与をどこまで是認するのかというのは難しい問題だと思います。政府はあくまで公益の代表として、営利事業には関与しないことを理想として話を進めるのか、それとも官民の敷居をなくして、トータルの国力で勝負することを理想とするのか。単に勝てばよいとするなら話は簡単なのですが、富と権力の偏在を助長しかねない方法論を理想とおくことには、少なからず議論があるものと思います。大きくて、勢いはあるかもしれないが、産業革命以降の国際社会においてまだ「勝った」経験を持たない中国が内包するその脆弱性が、なりふり構わないカネ儲け第一主義のモデル作りを容認する(推奨する?)一つの理由になっているような気がします。ま、日本の首相もかつてトランジスターのセールスマンとか言われましたけど。