小野田寛郎氏、逝く
1月25日号をパラパラとめくっていると、昔メディアでよく見た白黒写真がありました。巻末のObituaryに、フィリピン・ルバング島で戦後も日本兵として「戦闘」を続け、1974年に帰国された小野田寛郎さんが亡くなったことについての記事が載ったためでした。
多くのメディアが事実を伝えるだけだった彼の死が、めったに日本人の死を伝えることがないObituaryに載ったのはちょっと意外でした(確か以前、ソニーの盛田昭夫さんが亡くなられたときに載ったことを覚えています)。
戦後30年にわたるジャングルでの闘争は何を意味したのか、総括するのはなかなか難しいことかもしれません。負け戦は洋の東西を問わず似たようなものなのかもしれませんが、日本がどれほどだらしなくあの戦争に敗れたのか、象徴的に物語る事例であるように思われてなりません。故人のご冥福をお祈りいたします。