新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

今年も、Big Mac Index

1月25日号のFinance and economicsには、毎年恒例のBig Mac Index (各国で販売されているビッグマックの平均的な価格で通貨価値を評価する)が出ています。現在、アメリカでは平均で4ドル62セントするビッグマックですが、たとえばノルウェーは7ドル80セント相当の価格ということで、これに基づいてノルウェー・クローネは本来価値より70%ほど高い、という計算になるわけです。

むろん、ビッグマックがすべての物価を代表しているというわけではありませんし、実務的と言うよりはわかりやすさ追求型の分析ですが、ビッグマックは今や世界中で売られていることもあって、全世界どこでも話題にできるユニバーサルな指標であることもまた事実だと思います。

それで見てみると、日本では2ドル97セント相当ということで、40%弱ほど円安に偏っていると評価されています。確かに、数年前の円高の折、このIndexは日本円の価値を「ほぼ妥当」と評価していましたので、その意味ではつじつまは合っているのですが、現在のレートを「4割円安」と言われることに日本の実務家は違和感を覚えるのではないでしょうか。

もうひとつ注目すべきと思われたのは、中国5都市の平均価格が2ドル74セントだそうで、ビッグマックに限った話ではありますが、日本との物価差がずいぶんと小さくなっていることが窺えます。中国から安い物資が大量に流れ込んだことが支えた(?)日本のデフレですが、その流れに変化の兆しがあることがここにも表れているように思えます。

で、世界で最も安いビッグマックはといえば、記事が伝える限りではインドで売られているマハラジャマックのビッグマックだそうで、1ドル54セントと安価ながら、当然と言えばそうですが牛肉0%の品物です。普通のビッグマックに限って言えば南アフリカのそれが2ドル16セントで最も安いということでした。