新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

想定される悲劇

ネットで流れている8月5日号のThe Economistは、LeadersとBriefingの2本、計3本の記事を使って北朝鮮による核開発問題について報じています。

www.economist.com

記事が伝えるところによると、北朝鮮によるミサイル開発は想定以上に進んでいるものの、ICBMの実戦配備までにはまだいくつかの「実験」を必要とする段階だろうとのこと。とくに弾頭の大気圏再突入については、先日北海道の気象カメラがとらえた映像を分析するに「地上へ向けて加速し、地球の表面(海面?)に当たると小さな丸い物体と光る気体を放出し、暗くなって見えなくなった」のだそうです。

これがミサイル技術的に何を意味するのかは、記事を読んだだけではよく分かりませんが、安定的に爆弾を地表まで打ち込むにはまだ力不足である、ということなのでしょうか。The Economistの論調も、まだ完成した技術とはいえない、というトーンです。

もしアメリカと北朝鮮の間で武力衝突があるとすると、日本そして沖縄の米軍基地(およびそれ以外も?)、さらに韓国とくにソウルには大きな被害は免れないことと思います。記事の伝えるところでは、ミサイル発射段階での探知と迎撃はかなり難しいようで、韓国が急いで配備しようとしているTHAADよりも、日本海にいる潜水艦から発射される巡航ミサイルを使った迎撃のほうが効果的なのではないかとのこと。

また仮に今、そういう紛争があると軍人・民間人含めて10万人のオーダーで犠牲者が出るだろうとの予測もなされているようです。それでもなお、仮に直接の被害がアメリカ本土に及ばなかったとすれば、トランプ大統領は「アメリカは安全だった!」とツイッターに書きこむのでしょうか。