新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2013-01-01から1年間の記事一覧

新たな産業振興の、別な形

9月28日号のBusinessは、日本ではちょっと考えられない新しい産業振興の在り方について、アメリカのとある事例を取り上げています。 昨年、コロラド州とワシントン州で嗜好品としての大麻が合法化されたのだそうですが(マリファナではありません。大麻です…

米中関係を俯瞰すると

9月28日号のBanyanは、現在の米中関係について緊張の中にも相互に関係改善を模索している様子が見てとれます。王毅外相とケリー国務長官の対話の中で「敏感なことや同意できないことなど、話しづらいこともフランクに話し合うことで誤解が誤算につながること…

ケニア襲撃事件

ネットで流れている9月28日号ですが、表紙そしてLeadersのトップは世界に広がるアルカイダのネットワークとその脅威について、ということで、おそらくはこの記事の引き金になったと思われるケニアの事件についてはBriefingでネットワークの詳細について書か…

出会いも含めて

9月21日号のScience and technologyに出ていた記事ですが、アメリカで超小型人工衛星用のイオンエンジンを開発していた研究者が、「磁性を持った流体」の開発に苦しんでいたところ、オーストラリアの医学者が、がん治療の手法向けに同じような物質の開発を行…

電気自動車が流行るとしたら

9月21日号のBusinessには、フランス・ルノーが国内のバッテリーメーカーと組んで小型電気自動車の生産に乗り出す話が出ています。確か日産でも電気自動車をやってたと思うのですが、記事ではあまり触れられていません。 フランスの都市部を中心に、カーシェ…

生ける負の政治的遺産

9月21日号のAsiaには、1971年に起こった独立戦争当時の戦争犯罪にいまだ結論を出せずにいるバングラデシュと、それを巡り苦悩する現政権についての記事が出ています。さきごろ最高裁で死刑が確定したジャマア・イスラミ(バングラデシュのイスラム教政党)の…

台湾の政治的動揺?

9月21日号はAsiaで台湾・国民党の有力者がその影響力を濫用したとの事件について、国民党政権内に見られる亀裂~というほどのものかどうかは議論があるかもしれませんが~という見方で大陸との関係における若干の懸念を示しています。 興味深いのは関連する…

好調なのは

ネットでは9月21日号が流れています。 Leadersで目を引くのは、世界10大企業(株式価値ベース)のうち9社をアメリカ企業が占めるに至ったことに関する論評ですかね。これまでかつては日本、そして近年では中国や新興国の国策企業が幅を利かせていたランキン…

e-ペイメント、アフリカが先進的に取り組むもの

9月14日のFinance and economicsには、ナイジェリアで電子決済の仕組みを広げようとするベンチャービジネスの取り組みと、アフリカでは一定の成果を出している携帯電話と電子決済の組み合わせなど、新しい決済方法についての記事が出ています。 ケニアで広が…

覇権、ミルフィーユのように

9月14日号のAsiaには、伝統的にロシアの影響が強かった中央アジア諸国に対して、特にエネルギー開発の面から影響力を強めつつある中国の動きについての論評が出ています。御多聞にもれず、「必ずしも歓迎されるばかりではない中国」というモデルについて匂わ…

ドイツのためにというよりは

9月14日号、Leadersのトップは9月22日に予定されているドイツの総選挙についての記事です。ことドイツの取るべき政策についてThe Economistはこれまで必ずしもメルケル首相の政策を支持してこなかったのだそうで、一因は超安定政権となるはずの「大連立」~2…

スイス銀行と言えども

9月7日号のFinance and economicsは、アメリカ政府とスイスのプライベートバンクとの間で進む預金者情報の開示に向けた交渉の状況を報告しています。それによると、アメリカ政府に対してアメリカによる徴税に関連する預金者情報を開示しない銀行はアメリカ…

選挙の見通し

いずこの国でもそうですが、国政選挙が政治経済に与える影響は大変重要なもので、特にその国に一定額以上の投資をしていたり、近々投資することを考えている人からすれば関心低からざるテーマであろうと思います。 9月7日号のAsiaでは、来年7月に予定され…

5年経っても

東京は、オリンピック招致決定の熱気がまだ冷めやらぬ月曜日の朝です。The EconomistもWeb版ではその様子を冷静に伝えてくれています。 さて、9月7日号のLeadersを見てみると、トップはアメリカによるシリアへの武力攻撃についての批判的な記事ですが、二番…

起業のとき

8月31日号のBusinessには、アベノミクスの3本目の矢といわれる民間の力をどのように強化し、どのように経済再生につなげるかについての解説が出ています。それによると、起業促進とならんでホリエモンに代表されるカムバック組への機会提供や、新産業創出の…

人種差別は弱まったものの

9月24日号がネットで流れています。Leadersのトップは、アメリカ白人社会にとってはだいぶ言いにくい話、おそらく日本にとっての韓国併合や日中戦争にもたとえうる頭痛の種であった人種差別問題に関する考察です。 キング牧師の演説から60年、教育の機会や就…

未来の電車

8月17日号のScience and technologyには、カリフォルニアの高速鉄道建設構想に関して、電気自動車でブレイクしたテスラモーターズのボスであるエロン・ムスク氏が真空の管の中を走るSFチックな鉄道を提唱しているという記事がありました。 ま、科学技術の記…

仕事と創造性

8月17日号のSchumpeterは、創造性ある仕事をするうえで重要な視点を提供してくれています。なんでもアメリカでの調査によると、アンケートに答えた人の8割がオフィスを出てからも仕事をしており、69%がメールをチェックしないと寝られない、38%がディナー…

進む出版とネットの融合

8月17日号のBusinessには、デジタルメディアの隆盛と伝統的な媒体との関係についての記事が出ています。大筋は、もう10年も前から言われてきたニューメディア論と大差ないのですが、現実問題として活字からデジタルへという媒体の変化が起きている中での議論…

肝心な時に

8月17日号のAsiaには、さきごろ熱狂の総選挙が表向きは平穏に終了したカンボジアの現状と、期待された野党指導者の動静についての示唆に富んだ記事が出ています。 通常、日本のメディアでも選挙の直前と直後には何らかの報道があるものですが、選挙が終わっ…

中国の環境問題

8月10日号の、Leadersに続いてBriefingで詳報されている中国の環境問題について。確かに汚染は深刻ですが、対策も急激に進みつつあるのだという話。たとえば各大都市における二酸化硫黄の排出量はすでに日本の70年代の水準以下まで急激に減少しているとか、…

温暖化だけじゃないと思うけど

ネットでは8月10日号が流れています。Leadersは、よさそうに見えても心配の多いイギリス経済、中国の環境汚染問題、うまく行かないコンピューターハッキング対策、イタリアの政治とベルルスコーニ元首相に対する有罪判決、ニュージーランドのドラッグ規制と…

GDPのそもそも

8月3日号のFree exchangeは、マクロ経済の指標としてよく使われるGDPについて、ちっとしたトリビアな話を紹介してくれています。そもそも、GDPがマクロ経済を代表する指標として使われるようになったのは、1929年に発生した大恐慌が発端だそうで、それまで…

広告業界の変質

8月3日号のBusinessは、トップ記事で広告代理店大手の再編と、おもにIT化による業態の急激な変質について論じつつ、業界の今後についての興味深い話題を提供してくれています。曰く、大手同士の合併が物語るのは新興市場への取り組みとIT化への対応を進め…

興味深い分析

8月3日号のBanyanは、さきごろ中国で失脚した薄熙来・元重慶市書記について、その失脚が本格的であったことをようやくしっかりと伝える記事が出ています。同様の記事は日本のメディアではずいぶんと早くから目にしたような気がするのですが、この時期にBan…

なるほどね、という話

8月3日号のAsiaには、先ごろ行われたカンボジアの総選挙に絡んで窺える、国際政治の微妙な綺について興味深い記事が出ています。選挙そのものは若者の熱気がもたらした野党の躍進が目立ったわけですが、野党党首が選挙の不正について訴え出るなどしたため…

諜報とプライバシー

8月3日号がネットで流れています。 Leadersのトップは、タイムリーといえばこの記事なのだと思うのですが、エドワード・スノーデン氏の1年間のロシアへの亡命が受け入れられたことに関係して、諜報の役割とプライバシーを含む個人の権利についての考察記…

アジア的宗教対立の構図

7月27日号のAsiaには、ミャンマーの少数民族問題、そしてタイ南部にも見られるイスラム教徒対仏教徒の対立についての分析記事が出ています。イスラム系先住民と言われるミャンマーのロヒンギャ族と地元民(アラカン族、そしてビルマ族)の対立を、イスラム教…

巨人の減速

7月27日号のBriefingには、ここしばらく世界経済のけん引役となってきたBRICs諸国の経済が早晩停滞期に入るであろうとの予測に基づいた将来見通しについて、興味深い分析をしてくれています。 ネクスト11と言われたその他の新興国を見てみると、中国やイン…

誰もコメントをしないのは

ネットでは7月27日号が流れています。 Leadersは、BRICSの不調、アメリカの財政、ジンバブエの選挙、日本の参院選、英国のロイヤルベビーと人口論、と言うような内容になっていますが、7月26日日本時間午後3時現在で、日本の参院選に関する記事にだけ…