新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2016-01-01から1年間の記事一覧

5月21日号のLeardersには、任期が近づく潘基文国連事務総長の後任を巡る論評が出ています。内部統制や大国との関係においてあまり評判が良くないと言われた潘基文氏ですが、組織改革によるUN Womenの設立や、Sustainable Development Goalの導入に実績を残し…

波で測る

5月14日号のScience and technologiesでは、地球温暖化によって溶け出す氷の量を計測するための新しい方法について、このほど科学誌に発表された仮説の紹介記事が出ています。それによると、これまでは航空機からレーザーで計測するという、正確だが高価な方…

Uberが示す経済原則と、業態進化の可能性

Uberというサービスを聞いたことがありますか?スマホのアプリで位置情報を知らせると、近くにいるUber登録ドライバーが来てくれて、目的地まで載せてくれてクレジットカードで支払いするという、言ってみればタクシーの進化系みたいなサービスです。ドライ…

世界で最も金持ちが多い国は

5月14日号のFinance and economicsには、所得分配の公平性をあらわすジニ係数について、高い水準にあった(格差や不平等が大きいという意味)中国の数値が改善する動きにあるという報告が出てきます。引用されている現在の数字は0.5くらいだそうで、依然とし…

子供の貧困

5月14日号のAsiaには、右肩上がりに増加する日本の子供の貧困に関する報告記事が出ています。2012年の統計ではその比率が16%を超え、日本のメディアでも取り上げられたことはよく知られていると思います。今になってThe Economistが取り上げることの意味は…

ビットコインの発明者

最近ニュースでビットコインの発明者が名乗り出た、というのがありましたが、5月7日号のFinance and economicsにその詳しい話が出ていました。 サトシ・ナカモト氏-関係者とは電子的な連絡しか取らず、決して顔を見せずに仕事を続け、ビットコインの開発が…

中国経済の行く末

5月7日号のSpecial reportは、金融機関の現状から中国経済の今後を読み解こうとする試みです。中国経済は総括していえば予想通りの成長軌道を描けず、債務や設備などの過剰に苦しむという、20年前の日本経済に近いところまで来ているということなのですが、…

サンダースが残すもの

5月7日号のLexingtonは、アメリカ大統領選挙に向けた候補者選びがまだ終了していない民主党において、逆転勝利の可能性はほぼなくなったと言われるバーニー・サンダース上院議員の置かれた立場と彼の目指した政治が今後どのように影響するか、について興味深…

トランプの言うことがアメリカの政策となる日

5月7日号の表紙とLeadersのトップ記事は、アメリカ大統領選挙で共和党の候補となることが事実上決まったドナルド・トランプ氏がアメリカそして共和党にもたらす災厄について、比較的断定した言い方で憂慮を伝えています。 曰く、多少の妥協はあっても政治的…

北朝鮮が狙うもの

4月31日号のBanyanは、35年ぶりに開催が予定されている北朝鮮労働党大会にまつわる分析を紹介しています。過去の経緯は端折って、現在のキム・ジョンウン政権が目指すものをどうとらえているかというと、The Economistは「核開発と経済改革の両立」なのだと…

希望の見えない選択

ネットでは4月23日号が流れています。Leadersのトップは、アメリカ大統領選挙に向けて民主党内の支持を固めつつあるヒラリー・クリントン候補と、彼女の政策に関する漠然とした失望感に合わせて、彼女以外に妥当な選択肢を持てずにいるアメリカの現状を伝え…

垂直統合ビジネスモデル今昔

4月16日号のShumpeterは、アウトソーシング全盛の世にあって製造から販売まで垂直統合モデルが差別的なアップルとテスラの例を紹介しています。 そもそも垂直統合と言えば、今から100年ほど前、製造業が盛んな時代のアメリカにおいて叫ばれた競争力の…

安くなったことが

4月16日号のBusinessには、砂漠のある途上国を中心に人気の高まる太陽光発電事業の話が出ています。無限に降り注ぐ太陽のエネルギーをうまく活用できるこれらの国は、再生可能エネルギー資源に恵まれた国、という見方もできるわけで。 でもどうして今になっ…

刹那的と言えば

4月16日号のAsiaには、日本のジャーナリズムについての鋭い批評が出ています。 テレビや新聞が政権寄りになってゆく中で、タブロイド的メディアであるはずの週刊誌、とくに文春と新潮がゲリラ的なスクープ情報を伝える役割を果たしている、でもこれらのメデ…

確定申告のことを英語では

ネットで流れている4月16日号のLeadersを読み始めています。 Leadersのトップは自閉症人材の活用法について、二番目はつい数年前にブームと言われたアフリカ投資が曲がり角に来ていることについて、やはり人材がカギでしょうという記事ですが、三番目に「パ…

供給過剰

4月9日号のBusinessは、中国が直面する産業供給力の過剰について、項目を挙げてその懸念を示しています。可能性が懸念されるのはThe Economist曰く、鉄・石炭・アルミニウム・石油精製品・化学品・そして自動車だそうですが、このうち自動車を除くすべてが輸…

9戦8勝の敗北予測

The Economist4月9日号および電子版の記事でアメリカ大統領選候補者選びの情報を見ると、民主党ではバーニー・サンダース氏がここ最近の予備選および党員集会で9戦して8勝と健闘していることがわかります。直近のウィスコンシン州ミルウォーキーでは56%を…

帝国の野望

ネットでは4月9日号が流れています。 表紙とそしてLeadersのトップは、古代ローマ皇帝にも擬せられるほどの存在となりつつある(?)Facebookの創業者、マーク・ザッカーバーグ氏と同社が目指す更なる未来についての記事です。 なにせ登録者数16億人、うち10…

世界的ブーム、の最前線

4月2日号のBusinessには、人工知能開発をめぐる世界的な先端技術競争が人材獲得競争に発展し、それがとんでもない状況になっていることを伝える記事が出ています。 曰く、インターネットで世界的にタクシー配車サービスを運営するUberは、自動運転の研究のた…

モーレンベックだけじゃなく

このタイトルを見て、それがベルギーの首都ブリュッセルの一地域の名前であることにピンと来た方は、相当しっかりとニュース報道を見ている方だと思います。モーレンベックとは、住民の半数以上が移民という、言ってみれば「やや危ない」地域の一つなのです…

強すぎるものの悩み

ネットでは4月2日号が流れているThe Economistですが、Leadersのトップ記事は習近平主席の強すぎる権力基盤と、それが醸し出す有力者たちの見えない不満がやがてリスク要因になるかもしれない、という観測を伝えています。 確かに、最近の習近平氏の権威がこ…

報道されない脅威とその現実

3月19日にインドネシア・ナトゥナ島沖で発生したインドネシア当局による中国密漁船拿捕と、その後の中国公船によるインドネシア公船への体当たり(!)そして拿捕された漁船の奪還事件は、日本ではあまり報道されなかったように思います。船員はすでに逮捕さ…

変節?

3月26日号のThe Economist誌は、一種の社説ともいえるButtonwoodの欄で、長年の主張をひっくり返したのではとも思える意見を開陳しています。 そもそもThe Economistといえば、自由貿易・自由主義経済の旗振り役を自任してきた歴史が物語る通り、基本的に小…

それでもトランプ

3月19日号のThe EconomistはUntied Statesで米国大統領選挙予備選の状況について詳しい論評を載せています。それによると、民主党はヒラリー・クリントン候補でほぼ決まりではないかとのこと。先日行われたミニ・スーパーチューズデーで全勝したことが大きか…

アメリカ大統領選挙を観戦するならば

観戦、というコトバが当たるかどうか、もしかしたら不謹慎な言い方なのかもしれませんが、ダイナミックに変化する支持率の変化、州別あるいは支持層別の動向などが、見事に表現されているのがThe Economistの大統領選関連サイトです。 ウェブサイトの表現力…

どうして鴻海(フォックスコン)がシャープ買収で優位に立てたかと言うと

2月13日号のBusinessには、シャープの買収を巡る記事が二つも出ています。それだけ注目に値する話だったということではありますが、出来事の主役はどうみてもシャープではなく、直接の買収主体となるフォックスコン(鴻海傘下)と、CEOのテリー・ゴウ氏のよ…

知られたくない過去?

・・・と言うほどのモノでもなさそうなのですが、2月13日号のUnited Statesには米共和党大統領候補の指名争いでトップを走るドナルド・トランプ氏の先祖についての話が出ています。それによると、彼の祖父にあたる人がドイツから移住してきたということです…

何がいけないのか、判らない状態とは

The Economist誌1月30日号のLeadersトップ記事は、今年11月に行われるアメリカ大統領選挙に向けて加速される各党の候補選びに関する記事です。いささか訳のわからない状態が発生しているのは共和党で、支持率トップには相変わらず放言でショーマンシップを発…

築地市場移転

The Economist 1月9日号のAsiaには、移転を控えた築地卸売市場の話が出ています。移転後の跡地は、一部が2020年東京オリンピックのプレスセンター用地として使われるんだそうで。The Economistも特派員を送るのかな。

モシカシテ、流行るかも

1月9日号のBusinessには、御一人様用の「箱」でビジネスチャンスをつかんだ日本のベンチャー「だんぼっち」、実はバンダイナムコの関連会社みたいですけど、その話が出ています。でも、かつてウォークマンが世界を席巻したことに比べると、世界的にはどうな…