新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2016-01-01から1年間の記事一覧

宇宙開発のフロンティア

8月27日号のTehcnology quarterlyは、宇宙に絡む記事で始まっています。その最初はアメリカのスペースX社が開発し、実用化された「再利用できるロケットの一段目」についてのお話です。同社以外にも、アマゾンのベゾスが始めたブルーオリジン社など、宇宙開…

気候変動とセメント

8月27日号のBusinessには、地球温暖化対策とセメント産業の関係が簡潔に報告されています。減量となる石灰岩の破砕および製造工程で使われる大量の化石燃料によって大量の二酸化炭素(CO2)を大気中に排出するセメント産業は、以前から関係者の間では気候変動…

フランスの動揺

出張で少し間が開いてしまいました。さて今日は、The Economist電子版から、イスラム教の女性が身につける水着、ブルキニ(ブルカとビキニを合わせた造語だそうです)の禁止が話題となっているフランスについての記事を取り上げます。 www.economist.com 何…

テロリズムへの対応、が物語るもの

今日はThe Economist電子版から。おそらく明日発売の8月20日号の記事になるのではないかと思うのですが、イギリス政府が始めたテロ対策についての記事です。 一言で言うと、徹底的に個人情報を洗い、疑わしい人をマークする、と言うやり方なのですが、逆に言…

ハイブリッドカーを巡る未来予想図の?

少し長めの夏休みを頂いておりました。本日から本格復帰です。 The Economistは8月13日号です。米大統領選やフィリピン新政権に関する報告が目を引くところですが、後半のScience and technologyで読んでいてちょっと違和感を感じるものがあったので。 At la…

中国経済がアメリカを抜いたかもしれない計算

7月23日号のThe EconomistはFinance and economicsのページで毎年おなじみ、Big mac indexを載せています。例によってアジア諸国の通貨が実際より安くなっている、という分析結果のグラフが出ているのですが、仮にGDPと同じ金額だけビッグマックを買ったとし…

不都合な?話かもしれない

7月23日号がネットで流れているThe Economistですが、Leadersの4番目に天然ガスがもたらす地球温暖化の脅威についての記事があります。 ふつう天然ガスと言うと、石炭や石油に比べて環境にやさしいエネルギーという印象が強いのではないかと思います。確かに…

テレビの将来

7月16日号のBusinessには、長らくケーブルテレビが主流だったアメリカのテレビ放送について、根源的な変化が訪れようとしていることが報じられています。 www.economist.com 端的に言えば、インターネットテレビへの移行が加速され、これまでのケーブルテレ…

もしも、という話の中に

7月16日号のThe Economistは、世界中の「もしも」という仮説を特集したページがあるのですが、その中で面白かったのはトランプ氏が大統領になったらと言う記事の同じページに小さく示されていた「もしもアメリカにイギリス風の議会があったなら」という推計…

ISの東方拡大戦略とフィリピン新大統領への期待

7月9日号がネットで流れているThe EconomistがAsiaで伝えるところによると、過激派組織であるISは最近ウェブサイトを通じて、フィリピン・マレーシア・インドネシアなど東南アジア諸国をターゲットとした宣伝活動に注力しているとのことです。具体的には英語…

7月12日を注目する意味

出張があって、少しご無沙汰してしまいました。 そろそろ日本のメディアでも注意を払う向きが出てきているようですが、来週7月12日にはフィリピンによる提訴を受け、常設仲裁裁判所が結論を出す予定となっています。 The Economist7月2日号でも、アジアに関…

本当になってしまったそのあとは

The Economist電子版のブログ、Bagehot's notebookには、英国のEU離脱が決まった後の政局が混乱の中で迎えた最初の週末について、生々しい状況を伝えてくれています。 www.economist.com 嵐の中に突入する英国、操舵輪には誰もいない、というタイトルがあら…

認識は事実を凌ぐ、という見方

ネットでは6月25日号が流れています。 ざっと目を通して気が付いたのは、沖縄の米軍基地を巡る日米関係の変化についての記事です。アメリカ軍の軍属によって20歳の女性が殺され、この事件をきっかけとして米軍基地への反感が高まっていることは日本国内のメ…

背に腹は代えられぬ、と言う場合には

6月18日号のBusinessには、さきごろ原子力発電所の更新を認める決断をしたスウェーデンの事情について伝える記事が出ています。それによると、電力確保のため他に手立てがないということから、それまで課されていた懲罰的ともいえる原発への課税を取りやめ、…

デーつの種油にダイオキシンを吸着させる、という解決方法

6月18日号のSciende and technologyには、内戦で大変なシリアの科学者が開発したという、デーツの種油を使って水溶液中のダイオキシンを吸着するという新たな技術についての紹介記事が出ています。 www.economist.com デーツは、食べ物としては大好きです。…

嫌なものはイヤ

ネットでは、6月18日号が流れているThe Economistですが、表紙とLeadersのトップ記事、それにBriefingの記事4本を使って、イギリスのEU離脱問題について報じています。 www.economist.com さすがはイギリスのメディアなので、深刻さが違いますね。ちなみに演…

決める、ということ

The Economist電子版は、おそらく来週号の記事になると思うのですが、フロリダ・オーランドで発生した乱射事件を巡る大統領候補の発言を捉え、それによって自らの立ち位置を鮮明にする論評を載せています。 このうち民主党のクリントン女史については、ある…

ロボットにとって代わられることへの恐怖とは

The Economist電子版のトップページ、下の方を見るとI'm afraid I can't do thatというタイトルで、民生用ロボットの実用化に関する記事がでています。レストランや銀行での接客ロボット、あるいはクルマの自動運転などで仕事がなくなるかもしれない、と言っ…

教育こそ

The Economist誌6月11日号のLeadersトップ記事は、教育について、なかんずく教師の質をどうやって上げるかという、世界共通のお悩みについてのものでした。曰く、教師の質はスポーツのコーチが選手の技量を伸ばすように適切な教育訓練を施すことで向上させる…

悩み深い話

The Economist電子版のトップには、先ごろ発表された日本の消費税引き上げ延期を巡る論評記事が出ています。読者コメントは、おそらく経済学に詳しい方々のものばかりで、さすがに中国共産党の反日オルグみたいなトンデモコメントは出る幕がないようです。 …

大統領予備選大詰め

The Economist誌6月4日号のUntied Statesは、いよいよ今週大詰めを迎える民主党予備選の見通しと、最後まであきらめないとするバーニー・サンダース氏の戦いぶりが不合理なものであるとの見解を伝えています。 日本のメディアでも、米領バージン諸島でヒラリ…

クルマ屋の将来

The Econnomist誌5月28日号のBusinessには、大手自動車メーカーが競うように投資するアプリ事業の話を絡め、移動性すなわち「モビリティ」を提供するビジネスの将来についての論評が出ています。 有名なUber~白タク(?)手配サービスアプリの運営会社(こ…

残す心

5月28日号のThe Economistは、先ごろヒロシマを訪問したオバマ大統領の当日の動きについて型どおりの報道をしています。記事に対して140本を超える読者コメントが寄せられていて、真摯で正鵠を得たものからデマゴーギーのつぶやきまで全く玉石混交状態なので…

ためにする騒ぎ

5月28日号のUnited Statesは、ヒラリー・クリントン女史が国務長官時代に公用メールを個人アカウントでやりとりしていた問題を巡る新しい動きについて伝えています。 それによると国務省の内部調査機関による報告書が、違法性については指摘しなかったものの…

心は動かない

5月28日号のBanyanには、中国との関係が微妙に変化しだしている台湾そして香港についての論評が出ています。 台湾では民主的な選挙により、親中派の国民党政権にかわって独立志向の強い民進党政権が誕生したわけですが、これを巡る中国の反応は露骨な外交的…

保全され続ける核の脅威

ネットでは5月28日号が流れています。 Leadersのトップは北朝鮮の核問題についての分析記事です。アメリカが北朝鮮よりイランを先に取り上げたのは、石油・天然ガスという交渉の糸口があったからで、それを持たない北朝鮮はより扱いにくい相手であるというの…

経済政策と景気の寿命

景気には寿命があるか?という、日本の経済メディアではあまり聞いたことがない話題に注目したのがThe Economist5月21日号のFree exchangeです。 まあ確かに、神武景気だとか岩戸景気だとか、継続する景気拡大はある程度長期間に渡って継続したので、一定期…

気候変動をめぐる株主の動き

The Economist 5月21日号のBusinessは、そのトップ記事で石油・天然ガス資源の開発会社(いわゆるオイルメジャーなどです)に対する株主の動きの中で、地球温暖化対策など環境に関わる要求が高まっていることについての記事が出ています。 機関投資家の中に…

情勢は変わりつつ?

5月21日号のThe Economist誌、および同誌のウェブサイトでアメリカ大統領選挙に関わる最新の情報をチェックしてみると、非常に興味深い話が浮かび上がります。 民主党の大統領候補選びにおいて絶対的な優位を言われるヒラリー・クリントン女史について、数字…

日本に来る前に

5月21日号のAsiaでは、G7サミットに始まる訪日を前に、今日からベトナムを訪問するアメリカ・オバマ大統領と、大統領の訪問がベトナムにもたらす変化への期待が報じられています。 曰く、ベトナムは貿易面でTPPにより最も恩恵を受ける国であろうこと、ただし…