新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

巨星落つ

クリスマス特集の12月19日号ですが、てっきりObituaryのページと思っていたら、なんとEconomic focusを飾ったのが経済学の巨人、ポール・サミュエルソンMIT名誉教授の逝去に関する記事でした(そういえば確かフリードマンが亡くなった時もそうだったような気がする)。

言わずと知れた経済学の巨人です。自称「カフェテリア・ケインジアン」ということで、つまみ食い、もしくは良いとこ取りの経済政策を駆使して、おもに米民主党による経済政策の思想的・技術的バックボーンとなった方でした。

日本の大学でも「サミュエルソンの経済学」と言えば、長年近代経済学(!)の教科書として使われてきた名著であろうと思います。ケインズの「一般理論」が難しすぎて「一般の」人には敬遠されがちだったのに対し、サミュエルソンくらいならなんとか、という受け止められ方は、近年日本でよく出版されているわかりやすい経済学の入門書を執筆する人たちに、上手に受け継がれているように思います(みなケインズで苦労したんでしょうねえ)。

謹んでご冥福をお祈りしたいと思います。合掌。