オバマの戦略
12月10日号のUnited States、トップは来年に迫った大統領選挙に関する論評ですが、オバマ大統領がその戦略的軸足を定めた、という分析です。つまりそれは財政立て直しを富裕層に対する増税で賄う、と言う話で、さして目新しいものではないのですが、共和党の候補選びで似たような主張を述べているミット・ロムニー氏が低迷する中では対立軸が明確になる分だけ戦略を立てやすくなる、と読んだのではないかと思われます。
共和党はと言えば、ケイン氏が実質的に戦線を離脱したあとはニュート・ギングリッチ元下院議長が目立つくらいで、しかも外交面で問題発言があったりと、本選でオバマ大統領に勝つのは難しいように見えます。
その共和党の敵失を待つのではなく、自らの戦略はこうだ、と打ち出したあたりに「反転攻勢」を伺う考え方が明確に出ていますね。失業率の高さや支持率の低迷ぶりとは無関係に、自らの取るべきスタンスをしっかりと確保しようとする姿勢は政治家としてのレベルが決して低くないことを伺わせます。さて、本選まであと11ヶ月ほどとなりましたが、来年の今頃はどんな記事を書いているか、楽しみです。