新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

会社の買い方、今昔

12月17日号のBusinessには、かつて1980年代に海外企業を嵐のように買収した日本が再び世界各地で企業買収に大量の資金を投じていることについての記事が出ています。それによると、前回はうなるほどキャッシュを持っている強さの表れであったものが、今回はむしろ弱さを補完する投資となっていることが多いとの分析、いや流石The Economistと思わせる正鵠を得た分析です。

前回は映画スタジオや有名不動産、ゴルフコースにホテルなど、中には財テクの延長かなと思わせるような投資も少なくなかったのですが、今回はむしろ成長機会を喪失した本国の本体事業を補完するような投資が目立つとのご託宣。現在カンボジアで日本企業進出に多少関係した仕事をしている最中なのですが、この点はまさにそうだと感じます。同じ円高による外国企業買収と言っても、バブリーな商談は一つとして聞かないだろうと思います。でもそれで良い、というか、ようやくあるべき形で事業の海外展開が議論できるようになってきたということではないかと思っています。

世の中には「強いものが勝つのではなく、変化を先取りして自ら変われるものが勝つ」という言い方がありますが、そうだとすると、日本企業の多くもまた、自ら変わろうとしているところであると、言うことかもしれません。