新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

「中国モデル」の今後について

1月29日号は中国特集だそうですが、前半のBriefingでは「中国モデル」がさまざまなところで見せている社会的・経済的なきしみについての記事となっています。

強力な中央集権型で国を仕切ってきたこれまでの「中国モデル」がもたらしたとされる成功体験について、「果してそのままで良いのか?」を強烈に問い掛けつつあるのがインターネットを介した民衆の声、ということで、日本でも待遇改善を求める労働者の動きなどがメディアで紹介されていますが、実態はそれにとどまらず、政治の民主化そのものを希求する考えが強く浮き出てきているとのこと。

これに呼応するかのように、政治レベルではかつて毛沢東時代にも一度志向されかけた「新民主主義」を問う本が出版され、劉少奇の息子が公式にその考えを支持する等、次第に政治への影響が伺えるような流れも出てきているようです。

ちょうど今年は政権交代の年に当たり、システムとしてはこれまでの中国モデルがそうであったように、政治局員の交代と言う形で人が入れ替わるわけですが、その中で民主化の流れはどのように取り込まれてゆくのか、あるいはそうでないのか。

民主化の流れが加速すれば、システムそのものを見直すべしと言う議論は不可避なはずで、だとするとどこかで必ず変局点が訪れるわけで、それがいつ・どこで起こるのかを見通すような政権交代に、なるのかもしれません。その時、「中国モデル」はどのように変化するのか?なかなか興味深い話題です。