新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

不毛の選択は不可避か

1月29日号のLeadersです。
まずは中国の繁栄と政治の曲がり角についての記事(今週は、今年予定される政権交代を見据えた中国関連記事がいくつも載っています)、米共和党大統領選候補者選びとギングリッチ元下院議長、経済の刺激役としてその役割を期待されるプライベート・エクイティファンドについて、3月20日に予定されるギリシャの債務期限とユーロ危機について、混迷が続くシリアと外国の武力介入の是非について、という内容になっています。

米大統領選挙に向けた共和党の候補者選びは、CNN等の報道を見ていても思うのですが、はっきり言って役者不足ですね。いずれも帯に短し、と言える候補者しか持てていないのは、同党の悲劇、ひいてはアメリカの不幸につながっているような気がします。個性が強いと言う以上に、環境問題や外交問題関する政治的主張や信条に偏りが見られるギングリッチ元下院議長を保守派の最有力候補としなくてはいけないあたりに共和党の大きな限界があるように感じます。

不法移民は皆帰れ、CO2排出制限など不要、という人間が大統領になる日を、アメリカの有権者が選択する日が来るとすれば、それは明らかにアメリカが「並みの国」になり下がることを意味すると思います。

それじゃあオバマで大丈夫か?となると、これも多くのアメリカ人が積極的に支持する結論ではないことは相当程度に明らかで、おおよその成り行きとして考えられるのはロムニー候補との低調な選挙戦の結果、どうにかオバマ大統領が再選され、向こう数年は特にアメリカ経済にとって臥薪嘗胆とも言える日々が続く、というような筋書きかと思います。それだけはいやだ、というこだわり派が、例えばギングリッチ候補の支持に回っている、ということかと思います。