新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

Facebookの提供する価値とは

ネットでは2月4日号が流れています。

Leadersは、Facebookの株式公開、イギリスのジャーナリズムとプライバシー保護の関係、フランス大統領選挙と公的支出、中国経済と機能していない固定資産税、アフガニスタンとアメリカ軍の早期撤退についての記事となっています。

このうち、Facebookの株式公開(IPO)についての記事には読者コメントが数多く寄せられていますが、ざっと見たところ6対4くらいの比率で疑問符を呈するものが多かったように思います。意外です。

そもそも、Facebookはどんな「価値」を提供してくれているのでしょうか?
かく言う私もFacebookには登録してあり、時折昔の知人などから思いもかけない連絡をもらったりしていますが、自分から積極的に使ったことはあまりありません。

別に他人に見せなくても良い写真までネットにあげる必要性が判らない、グループ管理のできるアプリがあればよい、MyspaceやNetscapeなど、あっという間に消えたIT企業の焼き直しだなど、懐疑的・否定的なコメントは少なくないのですが、視点を変えてFacebookも広い意味で人類の発達に新たな一ページを加えてくれたというふうには思えないでしょうか。そう見れば、LotusやHotmailなど株式市場からは姿を消したサービスを含め、Facebookが提供しているのは人類の発展に関する希望、みたいな付加価値と言えなくもないと思うのです。

膨大な登録情報の持つ資産価値やキャッシュフローの算定は、どう考えても簡単ではないと思いますし、どう工夫してみたところで正確な数字は弾けないように思います。にもかかわらず、IPOが行われ株式に値が付くのは何故か?と考えると、価格はさておき将来が楽しみなので関与しておきたい、という根強い意向が市場に存在するからだと思われます。そう書いてしまうとあられもないのですが、IT企業ならずとも、将来の予測など下駄をはいてみるまでは確実なことは言えないので、たとえそれが自動車メーカーであろうと鉄鋼であろうと、最終的な部分ではどうしても「見えない」要素を抱えて株式公開へと進むのだろうと思います。Facebookは、そのあたりで多少なりとも不確かさが目立った、と言うだけの話だろうと、私はそう思ってこの記事を読みました。